AUTOMATON『ファイアーエムブレム エンゲージ』レビュー「万人受けしないジャンルを大衆に届ける難しさ」
『ファイアーエムブレム エンゲージ』レビュー。万人受けしないジャンルを大衆に届ける難しさ –
https://automaton-media.com/articles/impressionjp/20230130-235457/
JRPGのストーリーフォーマットの採用は、親しみやすいという点で万人受けしやすく、パーティーメンバーひとりひとりを掘り下げる
展開を生むことができるゆえに「キャラゲー」を表現する上で適しているように思えるが、
残念ながら本作がSRPGであること自体がそれを邪魔してしまっている。
SRPGであることはメインストーリーそのものにも影を落とす。旅をしていると感じられない中で、
戦場ならまだしもカットシーン中に訪れる新たなキャラクターたちとの出会いは突拍子のないものに感じられてしまうし、
旅を通じた物事の積み重ねがない中で行われる山場の演出は薄っぺらい。
背景は戦場のマップをそのまま使っているため、JRPGに付きものであるフィールドの賑わいなどを表現できておらず、
結果、コミカルなキャラクターたちの言動が空っぽの空間で浮いているように感じられる。
やりたい表現にたいして演出が圧倒的に足りていない。シリーズ特有の支援会話がキャラクターの掘り下げを全面的に担当しているため、
メインストーリーをなぞるだけではJRPG風な物語として内容の厚みが足りていないことも指摘しておきたい。
要するに、本作はSRPGのまま、JRPGの物語演出をそのまま採用しているため、ゲームとストーリーとの齟齬が発生してしまっているのだ。
JRPGのストーリーフォーマットを採用すること自体は、シリーズにおける挑戦として、ウォーゲームにとらわれない新たなSRPGの物語表現として歓迎したい。
だが残念ながら実現には至っていない。
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Source: ゲーム感想・評価まとめ@2ch