すぐ死ぬので有名だったゲーム『スペランカー』。いったいどれほど死にやすいのか
5/19(水) 9:00
こんにちは、空想科学研究所の柳田理科雄です。マンガやアニメ、特撮番組などを、空想科学の視点から、楽しく考察しています。さて、今日の研究レポートは……。
ゲームに疎い筆者は『スペランカー』というゲームをまったく知らなかった。1980年代に少し流行ったアクションゲームらしいのだが、初めて教えてもらったときには、ものすごくビックリした。
ひと言でいえば、それは「ものすごく死にやすいゲーム」。プレイヤーがすぐに死んでしまうことで有名で、それゆえにいまでも人気があるのだという。何が人気になるかわかりませんなあ。
「死にやすい」とは、どういうことか? 具体例を知ってもらえば納得していただけるだろう。『スペランカー』の主人公は、次のようなことであっさり死んでしまうのだ。
・小さな窪みに落ちたら死ぬ!
・縄や梯子やエレベーターから降りるとき、ちょっと落差があったら死ぬ!
・下り坂でジャンプすると死ぬ!
・自分が仕掛けた爆弾の爆風で死ぬ!
・マシンガンを撃ち過ぎると、エネルギーが切れて死ぬ!
・コウモリの糞が当たっただけで死ぬ!
――こんな具合に、ホントにカンタンに死んでしまうのである。これには本当に驚いた。
◆「スペランカー」とはどんな意味?
こういうことになったのは、もともと83年にアメリカで作られた『スペランカー』を、85年に日本のファミコン用に作り直したとき、ゲームの難易度を上げようとした結果……らしい。
「難しい」⇒「すぐ死ぬ」。うははっ、まっすぐな発想をしたものですなあ。
そもそも「スペランカー」とはどういう意味だろうか。
英和辞典を引くと、綴りは“spelunker”で「⦅アマチュアの⦆洞窟探検家」とある。
ところが、このゲームの浸透によって「スペランカー=虚弱体質」というイメージが定着してしまった。2016年に引退したプロ野球の多村仁志選手など、ケガが多かったことから「スペランカー多村」というあんまりなニックネームをつけられていた。英語圏の人が聞いたら「趣味で洞窟の探検をしている選手」と思ったのではなかろうか。
だが、いくらゲームとはいえ、人間がここまでたやすく死んでしまうのは、いかがなものか。
ここでは主人公キャラを「Mr.スペランカー」と呼ぶことにして、彼の死亡まみれの人生について考えてみよう。
◆車の屋根から飛んだら死ぬ!?
まず、落下による死亡から。ゲーム画面において、Mr.スペランカーは身長が16ドットで、落下高度が14ドットを超えると、死ぬように設定されていたという。
死にやすいにもホドがある! 16ドットの身長を、現実の人間の160cmに置き換えると、死亡高度の14ドットとは140cmだ。そこから飛び降りた程度で、いちいち律儀に死んでいたら、文字どおり身がもたないだろう。
そもそも人間という生物は、どのくらいの高さから落ちたら死ぬものなのか。
もちろんそれは、打ちどころや、落下地点の状況にもよる。転んだだけでも頭を打てば死ぬことがあるし、アメリカには、39階から落ちたにもかかわらず、車の屋根に足から着地したおかげで、両足の骨折だけで済んだ例があるという。
アメリカの医師が「ニューヨークポスト」紙において「4階か5階からの落下で50%の人が死亡する。10階、11階の高さになれば、ほぼ100%助からない」と発言している。
医者の言うことは聞いたほうがいいから、ここは10階から落ちたら死ぬと仮定しよう。1階あたりの高さを3mとすれば、人間は高度30mから落ちたら、よほど運がよくない限り、死ぬということだ。
それに対して、Mr.スペランカーの100%致死高度は、たったの1.4m。このヒト、通常の人間の21倍も死にやすい!
◆卵より虚弱だった!
===== 後略 =====
全文は下記URLで
https://news.yahoo.co.jp/byline/yanagitarikao/20210519-00238534
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